自壊する帝国
2024年04月24日(水)

これで厚さ分かるかな



①休みだあ
 今年度、週3日勤務にしてもらった。実にありがたい。3、4年生の音楽を指導。「先生!楽しーい!次(次回)野授業はいつ?」と言ってくれるのがこれまたありがたい。
 NHKのちょこっとした番組に佐藤優が出ていた。「めったにメディアに出ない」ということだった。佐藤優さんは池上明さんとの共著で紹介され、「なんかおっかない顔

佐藤勝さんの本。同じ位のページ数でもこんなに暑さが違う


の人だなあ。」位しか知らなかった。番組の中で「内在的論理」という言葉を使った。平たく言えば「考え方の素」と言っていいか。相手が発言する中身には、そう話す根拠がある。発言の字面だけでは分からない。
 今、ロシアはウクライナへの侵略をしている。これはひどいことだ。しかしそれを行っているロシア人の内在的論理がある。表面だけ見ていては分からない深層の論理がある。
 偽計業務妨害などで拘置所に517日も拘留された佐藤さん。この事件も表面だけに目を奪われてしまっては実態がつかめない。
 外交官としてロシアで仕事していた佐藤さんの人脈の広さ、相手との接触、コミュニケーションの取り方はすばらしい。結局外交は「人と人」ロジックだけではうまく行かない。しっかり関わり、相手の文化、風習に飛び込んでいくことで真に腹を割ることで外交が成立sテイクきわめて人間くさい世界だ。
 ウォトカをお互いにしっかり酔いつぶれるまで飲めるかどうか。こんなことも外交として重要になる。相手と繋がるには一流のレストランでアポを取る。相手をとても重要視している証しになる。そしてそれだけの金銭を動かせる上位の人物だと言うことも伝えられる。こうした下拵えが重要になる。
 日本にモロゾフのチョコレートがあるけど、それをロシアにおみやげに持って行くことで心証があがる。ロシアに対して日本人がこれだけ親密だということを伝えられるからだ。佐藤優さんは基本的に「人好き」なのだと思う。ロシア大使館勤めでそつなく業務をこなすだけではなく深くロシアの人を知ろうとする。もちろん秘密警察にマークされないか、ロシアはいろいろ難しい制約がある。その中で(相手の体制、内在的論理)実に上手に立ち回り、きわめて確度の高い(信頼性の高い)情報をいち早くつかんでくる。そのセンスがすごい。「国家の罠」「自壊する帝国」にはそのあたりの生々しいやりとりが描かれていて読んでいてわくわくする。日本人とは異なる内在的論理があるロシア人にたいして、それを理解し深く入り込んでいく佐藤優さんが実に興味深い人物だ。 
②文庫本の凄さ
 どうも「凄い」っ言葉ばかりでボキャブラリイの貧困さが露呈してるけど。
 まず「国家の罠」文庫本にきれいに収まるとハードカバーよりも実にモバイルで気持ちがいい。加えて慎重文庫の紙の良さ。ページをトランプのようにささーっと動かすときの羽のような柔らかさにうっとりする。共に600ページある新潮文庫の「自壊する帝国」と岩波現代文庫獄中記」だが本の厚みが3mm位違う。岩波は紙が厚い。というより新潮文庫の紙が薄いんだろう。これだけでも、読む氣、携行する氣が格段に違っちゃう。話が飛んだなあ。