内在的論理

内在的論理

2024年01月29日(月)

①相手の論理を理解する

 たまたま夕飯を食べながらテレビを見ていた。NHKのクローズアップ現代。怖い顔の人が出てきた。佐藤優だ、「テレビにはめったに出ませんね。」と解説者の言。そうらしい。そんな方が特別にテレビに登場するというので食指動かされた。この佐藤さん。容貌が失礼だが「怖い」しかしニュース解説でわかりやすく、切り込んで話してくれる僕の好きな池上彰さんと共著の本が多く、とても気になっていた人物だ。

 元外交官。ロシア、ソビエトに精通しロシア、ソビエトの重要人物との人脈が広く、絶大な信頼を得ていたそうだ。今、ウクライナ、ロシアの戦争が続いている中、ロシアのことに精通している佐藤さんがこの戦争に対してどのように話すのか楽しみだった。

 それから、佐藤さんは微罪で逮捕され、512日に及ぶ拘留生活を送った。そして今は作家だという。実に異能の経歴を持つ。

 後でその真相を本で読むことになるが「外務省のラスプーチンと呼ばれて」と言うことらしいが、そんな異名をとるそんな佐藤さんのことが知りたくなった。

佐藤さんはクロゲン(クローズアップ現代の略)「内在的論理を理解しないといけない。」と語った。

②内在的論理とは

 ざっくり言えば「相手の言い分」だ。「あれだけ残虐なことをした。しかし、それはどんな相手の論理から来ているのかを理解しなければならない。」残虐。暴力。許されることではないのだが、その現象面だけではなく「何故その行為に至ったのか?」をお互い読み解く必要があるということだ。

 現場を僕の職場に目を向けてみよう。発達障害の子どもたちが増えている。その原因については今はふれない。友達をいきなり突き飛ばしたり、順番を守らなかったり、人のものを取り上げたり。「そんなことして良いの?」「駄目でしょ!」が通じない。何という傍若無人な連中だろうと思う。多人数を相手にする一斉授業ではこの出来事が授業をストップさせ、その対応に奔走することになる。ほかの子はその間、置き去り。

 教師はこの対応でかなり疲弊する。罵声を浴びせてくる子どもの対応で精神的にダメージを受ける。

 何故この子たちは決まりを守れないのだろう?わがまま?もちろんそれが大きいかもしれない。しかしその子たちにはその子たちなりの「内在的論理」がある。「悪口を言われた(と思った)」「早くやりたい。」「一番になりたい。」「相手がじゃま(自分を妨害している)」「それが欲しい。」「さわりたい」その子なりの「言い分」がある。言い分というと表面的な反応に見えるが、実はそこに「内在的論理」がある。「いつも自分だけやられている。いじめられている」(被害妄想?)「自分のほかに自分と同じ人がいることに気づけない」内在的論理から、その行動が出てくる。

③脅威

 池上さんの話には常に「ロシアは第二次世界大戦」で侵略出大きな犠牲を強いられたことを忘れられないと言う話が出てくる。それがロシアの内在的論理だ。

 何の罪もない人々が殺されている現状は悲惨だ、しかし、それは今回の戦争が初めてのことではなく、ヨーロッパやそのほか侵略は数千年にわたって繰り広げられており、単純に現代だけをスポットに取り上げても見えてこない。相手の内在的論理を理解する為にも勉強が必要だと痛感する。