4168空を跳んでいく感覚

シン・トレンクラーズイン

2023年12月22日(金)

①きっかけは和田サイクル

 おりちゃりに目を付けたのはビーパルだったか。実にきれいに折り畳んだ姿が美しくその自転車は英国製ブロンプトンと言った。早速なじみの自転車屋で相談する。「こっちもいいよ。」と教えてもらったのがBD-1。今考えると、チョースポーツタイプのBD1にすれば良かったなあと後悔するが、そのときは6万円と10万円ではおおきな差だった。

 ブロンプトンは英国製だけど、日本の部品が使えず、改造は難しい。いろいろと気になる部分は合ったけど「そのまっまで乗ってください。」の自転車だった。これをちょっといじってもらおうと和田サイクルに。後ろの荷台にローラースケートのタイヤを取り付けて転がしやすくすることと、ソービッツのダイナモをつけてもらってライトがつくようにしてもらった。その和田サイクルに、トレンクルはあった。

 NHKのニュースで官印電車からダッフルバッグを持って出てきた男が駅前でさっと自転車に組みたて、颯爽と乗っていくその自転車がトレンクルだった。次世代交通機関としてJRのコインロッカーに収まるサイズ。世界最軽量を目指したチタン製のその自転車に驚愕した。

 ブロンプトンでバスに乗ったり電車に乗って輪行して下見していたぼくに、烏帽子クラブの社長は「トレンクルが良いじゃん。」と一言言われて沈思黙考。

 当時トレンクル6500は18万円。ブロンプトンどころではない。しかも変速ギアなし。重量は6,5kg。7,5kgの7500でさえ11万円。今でこそ「まあ、何とか。」の金額だけど当時はぶっ飛んだね。ぼくのランドナーよりも高価。こんなちびっこが倍以上の値段だ。とんでもない話だ。 ブロンプトンダイナモを取り付けながら「そこのトレンクル軽いよ。乗ってみな。」とぼそっと一言。こんな高価なミニサイクル。なめやがって。トレンクルを持ち上げると???なんとすっと軽く持ち上がった。まるで空に飛ばす竹ひごと和紙で作った模型飛行機のような手応えだった。そのままふっと軽く腕を振ったらそのまままっすぐ飛んで行きそうな軽さだった。

「ようし、そんなら乗ってやろうじゃないの。こんなぼったくり自転車。」18万円。変速ギア無し。チタン製。体重が主すぎる人は乗車できない、まことに不自由な自転車だ。しかも、和田サイクルはこれに変速ギアを改造して取り付けている。それがまた十万円位かかる。とんでもないシロモノだ。今乗っているトレンクルはその改造されたものだ。ギアチェンジはスムーズ。トップギアにしても軽すぎて物足りないくらいだ。「何だ。ギアを変えてもあまり手応えないあ。」ギア改造(多段化という)してもそんなに変わらないな。本体だけでも十分高い、それに小径車だからギア変えてもそれほどの走りにはならない。普通の自転車ほどの効果は無いんだな、とそのときは思った。それは大間違いだったことに後で気付く。それはその後の話だ。

「トレンクル軽いっすね。」トレンクル改造、東の聖地。和田サイクルさんだ。ちょっとくらいはおべんちゃら行っておこうという気持ち。まあ、リップサービスだな。

 この日はブロンプトンの改造をしてもらって終わった。トレンクルはそれほどぼくの頭には残らなかった。

これがトレンクル