静岡ラン プレリュード

静岡ラン プレリュード

この自転車で走ります。スタンドで立てるとハンドルが反対側に回ってしまうのでこんな向きになっています



「オリチャリの旅やったよ。」同僚のスギさんがそんな話をしていたのを思い出した。「凄いな。やってみたいな。」およそそんなことやりそうもないFATなスギさん。淡々とそんな話をしてくれた。「あのさ。一日走ったらそこで自転車を畳んで電車に乗って帰るのよ。で、また次の休みの日にその駅までいってそこから自転車組み立てて走るんだ。」なるほど。しかしとても不安だった。「車がたくさん走ってて怖くないか?」「大型トラックが迫ってきたらどうなんだろう?」「道がわかるのか?迷わないだろうか?」と。不安はどんどんと大きくなる。ぼくは基本ビビりだ。このプランは数年寝かしておくことになった、ある夏思いついて寒川から箱根湯本まで走った。夏。めっちゃ暑くて参った。小田原からの登りが辛くて湯本からほうほうのていで退散。また、数年このプロジェクトは水面下に。さらに数年。とうとう決心して箱根越えを決断。キャンプ道具を持ってのスタート。前回の箱根湯本までは電車で。そこからオリチャリを組み立てて箱根挑戦。さすがに天下の剣。登り切ったのはOKだったけど、その後桃源台の芦ノ湖キャンプ場までがアップダウンきつく距離もあってきつかったなあ。キャンプ場で一泊してその後また東海道に戻り、そこから沼津まで走り、帰りは御殿場線で帰ってきた。

 ここでまたまたプロジェクトは沈黙。「沼津の先、行かないの?」と言われても「ふーん」とごまかしていた。静岡東海道、車の多さ。舗装の痛み具合がどうにも合わず、プランはそのまま放置。

 さらに数年たった。そしたら「東海道自転車旅」という本を見つけた。「これだな。」と思ったけどルートが細かくてちょっと面倒くさくなってまたまた放り出す。このルート記述が後々のトラブルの元になるんだけど、それはまた今度。

  • 思いつき

 突然「行くかあ!静岡!」という半沢直樹の台詞とともに(わかんないだろうなあ)いきなり静岡を走りたくなった。キャンプしながら走る、最小限のキャンプ道具を積載して。民宿や、ビジネスホテルなんて高級な旅はできないと思っていたのが数年前。最近になって「それ、面倒くさいし、重くて大変だ!」に切り替わった。純粋に走りに徹するのならとにかく軽くしたい。

 それよりも、とにかく走って最後は折りたたんで電車に乗る「日帰り」ができるというのは大きなメリットと思えた。そう思うとちょっとワクワクしてきた。日帰り。それなら朝一で起点に着きたい。一日を長く走りたい。そのための時間が欲しい。真っ暗な中、朝、最初の電車にのることは僕にとってはめっちゃ楽しみなことだ。何よりも「一番!」がうれしい。しかもその一番は誰かを追い抜いたり、出し抜いたり、負かせたりして得たものではないってこと。自分の好きかったでやることだし、やりたければ誰でもができる一番だ。

 何か未知の世界に冒険に行くような身体の芯からゴゴゴと熱く盛り上がってくるマグマのようなアドレナリンの放出(まだそんなの自分にあったのね)。すごく楽しみになった。いくかあ静岡!